字幕翻訳に挑戦!AegiSubと仲良くなろう編

翻訳・ことば

近ごろ、PTCでは字幕翻訳に挑戦しています。字幕を作成する中で、テクノロジーの大切さを改めて感じ、ツールの使用方法などについてお伝えする記事をいくつか書いています。

今回の記事は、以前ご紹介したSubtitle Editと似た機能を持つツール「AegiSub」をご紹介します。AegiSubの機能や操作の仕方をお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

プロセスの確認

私たちは6つのプロセスを踏んで、字幕を作りました。今回触れるのは、主にプロセス4に関わるテクノロジーの面です。

  1. 動画の録画 
  2. 発話の書き起こし
  3. 字幕作成(リサーチ)
  4. 表示文字数の確認と表示時間調整
  5. 最終確認
  6. エクスポート

字幕の文字数を制限字数内*に収めるために、字幕の表示時間を調整します。この時に、私が使用したツールがAegiSubになります。

*字幕は1秒あたり4文字まで表示できるというルールが広く知られていますが、他にも字幕作成にはルールがあるので、詳しくはこちら(染谷, 2009)もご参照ください!

表示時間の調整

字幕の表示時間の調整するのに、Subtitle Editというソフトをおすすめしてもらいました。

Subtitle Editについてはこちらの記事をご覧になってください!

調べてみると、Macには対応していないようだったので、Macユーザーの私は別のソフトを使うことにしました。そこで、学生時代に授業で使用したことがあり、少し馴染みのあるAegisub を採用しました。AegiSubは動画に字幕を入れることができる字幕編集ソフトです。

Aegisubの使用方法

Aegisubの使用方法について、2段階に分けてご紹介していきます。
①素材のアップロード
②字幕表示時間の調整

①素材のアップロード

AegiSubにアップロードするのは、次の2点です。
a. プロセス1で録画した動画
b. プロセス2でエクスポートしたsrtファイル

それぞれのアップロード方法を確認していきます。

アップロード方法

a. プロセス1で録画した動画
[映像]タブ→[映像を開く]→アップロードしたい動画を選択→[開く]
もしくは、ドラッグ&ドロップでOKです。(私は大体こっち派です。笑)

そうすると、画面左上に動画が挿入され、その右隣には動画の(音声)波形が挿入されます。



b. プロセス2でエクスポートしたsrtファイル
[ファイル]タブ→[字幕を開く]→srtファイルを選択→[開く]
*ショートカットキー→[command + O]

そうすると、書き起こしがタイムコードと共に挿入されます。この書き起こしが字幕となる部分です。

このsrtファイルは文字起こしのため、タイムコードは文字数などを考慮したものではありません。そのため、表示時間を調整して、読みやすい字幕を作っていきます。

②字幕表示時間の調整

次に、表示時間の調整方法についてご紹介していきます。
ここでは、字幕の表示時間と文字数を確認しながら文字数制限に収まるように、時間を調整していきます。

調整方法

表示時間は、波形の開始時間(赤線)と終了時間(青線)を移動させることで調整できます。もしくは、波形の下のブロックにあるタイムコードを直接修正することもできます。
最後に、チェックマーク✅を押して確定すると、字幕に反映されます。

調整方法は以上ですが、具体的にどんな時に表示時間の調整を行うのか見ていきます。

例えば、右の画像の場合、表示できる文字数は7.36文字(1.84秒×4文字)のはずですが、この字幕の文字数は8文字になってしまっています。これでは、文字数制限が守られていません。

このような場合に調整が必要になります。字幕を練り直す場合もありますが、今回は表示時間を調整しました。実は、この字幕が表示された後しばらく映像が変わらず、余韻が残されているので、字幕の終了時間を伸ばすことにしました。

字幕の終了時間を伸ばすと、表示できる文字数は、10.48文字(2.62秒×4文字)となりました。ということで、時間を調整したことで、文字数制限をクリアできました!

今回は時間を調整することで解決できましたが、翻訳を練り直す場合についてはまた別の記事でお伝えしたいと思います。

ちなみに、字幕のデザインもカスタムできます。[編集]からフォントの種類やサイズなどを変更できます。

Aegisubは文字数を制限内に収めるヒントは与えてくれますが、1秒4文字ルールに基づいて表示可能な文字数を割り出すという機能がないので、自力で算出する必要がありました。当然、文字数がオーバーしている時のお知らせ機能のようなものもありませんでした。

そこで、文字数を確認するために、下の画像のようなエクセルファイルを使用しました。このように情報を整理する時には正規表現を使用しました。これについては別の記事でご紹介します。

Aegisubでは時間調整はできる一方で、文字数を数えるという点では少し苦労しましたが、全体的に操作は簡単なので使いやすかったです。他にも便利な無料ツールがあると思うので、もう少し調べてみたいと思います。

感想

私は字幕翻訳に関わった経験がまだ数回しかないため、この表示時間の調整が一番難しく感じました。私より経験のあるRinaの字幕は、字幕として残す必要のない情報の判断が適切で結合の仕方が上手だと思いました。この調整がうまくできるかどうかが質の高い字幕を作る一つの鍵を握っているような気がしました。経験を積むことでも、調整のパターンを身に付けることができると期待しているので、これからも積極的に練習していきたいと思います。

ツールもまだまだスムーズに使えていないので、様々なツールを使ってみたり、工夫しながらツールを使ったりすることでより効率良く作業ができるように頑張っていきたいと思います!

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